「健康診断は毎年受けているから大丈夫」そう思っていませんか? もちろん、毎年の健診はとても大切ですが、多くの場合、基本的な項目のみで済ませてしまいがちです。しかし、実はその見落としがちな部分にこそ、将来の健康を左右する大きなヒントが隠されていることがあります。
高血圧や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病は、初期には自覚症状がほとんどありません。そのため、気づかないうちに病気が進行し、心筋梗塞や脳卒中といった命に関わる病気につながる可能性があります。まるで静かに忍び寄る「沈黙の殺し屋」です。健康診断は、そうした病気の兆候をいち早く見つけ、適切な対策をとるための重要な機会。未来の自分への最高の贈り物と言えるでしょう。
胸部CT検査:見逃されがちな肺の病気を早期発見
胸部レントゲン検査は多くの健診で実施されますが、骨や心臓の影に隠れて、初期の肺がんや肺結核などの病変が見えにくい場合があります。
そこで特におすすめしたいのが胸部CT検査です。CT検査は、体を輪切りにした断面の画像を詳細に撮影するため、レントゲンでは発見が難しい小さな病変も見つけ出すことができます。特に喫煙歴のある方や、ご家族に肺がんの方がいるなど、リスクが高い方にはぜひ受けていただきたい検査です。
頭部MRI検査:脳の病気を未然に防ぐ
近年、高齢化に伴い、脳卒中や認知症への関心が高まっています。脳の病気は、一度発症するとQOL(生活の質)を大きく損なうだけでなく、命に関わることも少なくありません。
頭部MRI検査は、脳の血管や組織の状態を詳しく調べることができ、脳梗塞や脳出血の原因となる「かくれ脳梗塞」や「未破裂脳動脈瘤」を早期に発見するのに非常に有効です。これらの病変は、自覚症状がないまま進行することが多く、健診で発見して治療や経過観察を始めることが、突然の発症を防ぐ唯一の手段と言っても過言ではありません。
また、MRIと同時にMRA(磁気共鳴血管撮影)を行うことで、血管の狭窄や閉塞をより詳細に調べることが可能です。頭痛やめまいなどの症状がある方はもちろん、生活習慣病をお持ちの方、ご家族に脳卒中の既往がある方にも、積極的に受けていただきたい検査です。
健康診断は「予防」の第一歩
健康診断は、単に病気を見つけるだけではありません。自分の体の状態を客観的に知ることで、食生活や運動習慣を見直し、より健康的な生活を送るきっかけにもなります。
当院では、皆さまのライフスタイルや健康状態に合わせて、様々な健康診断コースをご用意しています。今回ご紹介した胸部CT検査や頭部MRI検査も、ご希望に応じて追加することができます。
ぜひ、この機会に「たかが健診、されど健診」という意識を持っていただき、ご自身の健康に真剣に向き合ってみませんか? ご不明な点があれば、お気軽に当院の健康診断部までご相談ください。皆さまの健康をトータルでサポートできるよう、スタッフ一同、心よりお待ちしております。
川満外科 健康診断部
